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自転車を走らせていると、家の近所の田んぼが埋め立てられているのに気づいた。いかにも工事現場らしいフェンスが張られ、鮮やかな緑色の稲は綺麗さっぱり消えていて、代わりにコンクリートが埋まっていた。

 
同じ土地に住んで10年以上も経つと、幼い頃に見た風景は少なからず変わってしまう。業務用スーパーのあった場所には散髪屋が建ち、居酒屋は寿司屋に変わり、マンションが取り壊されて空き地になった。

 
自分が住んでいるのは確かに昔と同じ場所なのだけど、今目にしている風景は当時見ていたものとは微妙に違う。それも全く異なるわけではなく、あくまで「微妙な」変化に留まっているからこそ、余計に現実味がない。夢かなにかだったようにすら思えてくる。