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どこまで続くとも知れない廊下を歩いている。

親切な窓とかドアとかいったものは一つもなくて、ただただ真っ直ぐな一本道がどこまでも続く。壁や床はご丁寧に真っ白く塗られていて、見るものといえば時折掛かっている誰の作品だか分からない抽象画くらいのものだ。床の材質はリノリウムだろうか、足を踏み出すごとにコツコツと単調な音がする。

さて、ここで僕は傘をさす。なぜなら雨が降り始めたからだ。この廊下は天井がすっぽりと空いていて、降り注ぐ水滴から身を守ってはくれない。不親切な設計だなと思うけど、今は些細なことに腹を立てている場合じゃない。構わず歩き続ける。

目線の先は霞んでいて、そこに出口はあるのか、それとも何か恐ろしい怪物がいるのか、分からない。でもどうせ同じ風景が広がっているだけなのだろう。

雨が強くなってきた。傘を少し低くして、どこまでも先へ進んでいく。ほんの少しの希望と、胸いっぱいの不安、そして諦念を抱えながら。